園芸農業の発展へ結束 第3回「さが園芸888運動」推進大会
さが園芸888運動推進本部(事務局:佐賀県)は9月4日、神埼市千代田文化会館「はんぎーホール」で2025年度「さが園芸888運動」推進大会を開いた。
生産者・行政・JAが一体となって収益性の高い園芸生産の振興に取り組み、「稼げる農業」への転換を図り、2028年までに園芸農業の産出額888億円を目指す。園芸農業者、JA関係者、農業団体、市町など約330人が参加。
大会では、佐賀県農林水産業功労者知事感謝状の贈呈が行われ、園芸振興に貢献した唐津農業協同組合果樹部会が表彰された。
「さが園芸888運動」のこれまでの成果と今後の目標達成に向けては、新規就農者の確保・育成に向けたトレーナー制の導入拡大や、トレーナー制とトレーニングファームを融合した「ミニトレーニングファーム」の取組、園芸団地の整備拡大、気候変動に適応した栽培方法の推進、労働力確保に向けたマッチングアプリや外国人材の活用拡大など、多様な施策が進められていることが報告された。
事例報告では、白石町の園芸振興の取り組みを紹介。高齢化による人口減少や新規就農者の確保が課題となる中、担い手育成支援を地域一丸となって取り組んでいる。園芸団地の整備では、いちごトレーニングファームの整備を進め、研修生の就農地や規模拡大を目指す生産者の農地確保を図った。さらに、園芸品目ごとの産地振興支援や、レモンの新規品目「璃の香」の導入支援にも力を入れている。
講演では、栃木県の海道土地改良区副理事長の和田浩幸さんが、栃木県海道町でのイチゴ団地創設に至るまでの取り組みや賃借契約の工夫など、土地改良事業を通じた園芸団地整備の実践例を語った。
同運動は2019年度にスタート。県内では新規就農者の育成や園芸団地の整備が進み、担い手確保や産地拡大に成果をあげている。今後も関係者が一体となり、園芸農業の発展と目標達成に向けて取り組みを強化していく方針だ。