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「耕×畜なび」活用 堆肥活用で環境保全に繋げる

全国版/(再送)【さが・本所】250808「耕×畜なび」活用 堆肥活用で環境保全に繋げる_1.JPG

 佐賀県とJA全農、県内JAは畜産農家と耕種農家の連携の強化を図る「耕×畜なび」を活用した取り組みを今年度から始めている。県全域での取り組みは全国で初めて。
 「耕×畜なび」は、堆肥の生産・流通実態の可視化により畜産農家と耕種農家とのマッチング創出を推進し、広域流通による循環利用システムの構築を進めることが目的。
 畜産農家が生産した堆肥を登録するのは初の試みで、成分などが一目でわかるのが特徴だ。環境負荷の軽減や循環型への転換が求められる中、家畜排せつ物を堆肥化し、飼料や農作物の生産に有効利用することで、不適切な排せつ物処理を防ぎ、環境保全につなげる。
 同活動でマッチングした特定非営利活動法人スローWORK大和(佐賀市)の松本康平理事長と森永牧場(小城市)の森永公一社長に話を聞いた。
 同法人は障害者やその家族に安心した暮らしを提供し、農業を通して自立した生活や社会生活を促進することが目的。28人で1.5㌶の面積を管理する。年間約100種類の野菜を栽培し、直売所や飲食店にも野菜を出している。
 松本理事長は「圃場に合った堆肥を見つけるのは大変。“耕×畜なび”で堆肥の特徴も理解しやすかった」と話し、堆肥については「森永牧場の堆肥は非常に高品質で特有の匂いもなく使いやすい。今後生育状況を確認したい」と期待を込めて話した。
 同牧場では、肥育牛約300頭と繁殖牛約100頭の計400頭を飼育している。飼育段階から海洋性珪藻土の抽出液を活用し、牛舎内へのミスト散布や子牛のミルクへの混入を行うことで、牛の腸内環境を整え、健やかな成育につなげている。 
 これにより、疾病予防に効果を発揮するとともに、微生物の活性化を促し、高品質な完熟堆肥の製造にも結び付ける事により、牛の健康と堆肥の質の両立を追求している。
 森永社長は堆肥について「堆肥は優秀な土壌改良資材、きちんとした使い方で良い土を作れば肥料の量も減らすことができる」と話し「耕×畜なび」を通して堆肥の新たな利用先の確保と安定供給に期待を寄せ、「畜産農家と耕種農家の繋がりが深まり、堆肥を活用してもらえると嬉しい」と笑顔で話した。
 県畜産課の担当者は「堆肥の利活用は長年の課題。耕種農家の方には積極的に“耕×畜なび”を活用してほしい」と話した。