農業、青年部への思いを語る/JA佐賀県青年大会
佐賀県農協青年部協議会は2日、佐賀市内で第65回JA佐賀県青年大会を開いた。新型コロナウイルス対策のため、初めてWeb配信形式で開催し、青年部員ら約250人が参加した。「組織活動実績発表」「青年の主張」の2部門でそれぞれ4名が、農業と結びついた地域・組織の活性化に向けた取り組みや、青年部活動、農業への想いを熱く語った。
組織活動実績発表でJA伊万里青年部山代支部の山本拓也さん、青年の主張発表でJAさが中部地区青年部金立支部の古川亮太さんが、それぞれ最優秀賞に輝いた。2人は県代表として、12月に熊本県で開かれるJA九州沖縄地区青年大会に出場する。
山本さんは、同青年部の特色ある活動を発表した。中山間地に位置する同支部は、増加する耕作放棄地の一部を借り受け、イノシシなどの獣害に悩まされながらも米作りを担っている。農業の3K(きつい、汚い、危険)のイメージを新3K(効率化、簡略化、稼ぐ)に変えるべく、作業負担や事故の危険を低減するための試行錯誤を続けている。コロナ禍だからこそできることを話し合い、打ち上げ花火プロジェクトを企画。地域住民へ青年部の想いを込めた大玉を夜空に打ち上げた。
古川さんは、10年間のJA勤務で農業への思いが募り、就農を決意。1年間の先進農家研修を経て就農するまでに感じた就農のハードルの高さや課題、青年部員ら周囲の支えのありがたみを語った。JAのトレーニングファームなど、確実な技術の習得が可能な環境が提供される一方で、周知されていない課題を指摘。SNSを通じた情報発信の必要性を訴えた。「新たな就農希望者には、少しでもスムーズに就農できるようになってほしい。JA、行政機関、農業者の三本柱がそれぞれの力を集結し、連携すれば、新規就農者の増加につながるはずだ」と真剣な眼差しを向ける。
消費者や地域住民に青年部活動をPRする1分間動画コンテストも行い、応募のあった5作品の中から、最優秀賞にJAからつ青年部が、優秀賞にJAさが中部地区青年部嘉瀬支部の作品が選ばれた。2作品も、JA九州沖縄地区青年大会に出品される。
同協議会の手島一提委員長は「日頃から取り組む青年部活動や、自分の農業に対する熱い想いを存分に語っていただき、刺激となるような発表を期待する。身近な県内の青年部員の力強い発表を聞き、今後の青年部活動、営農の糧にしてほしい」と呼びかけた。
写真=青年部の取り組みを語る山本さん(2日、佐賀市)