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えんどう豆とそら豆

えんどう豆とそら豆の種まき

えんどう豆やそら豆の栽培は、九州地方の場合、遅くとも11月いっぱいまでに種まきを終えるようにします。寒い時期に芽や本葉が小さいと、枯れてしまうからです。
なお、畑で栽培する場合は、連作を嫌うので、最低3年以上間をあけること。また、酸性の土壌に弱いため、石灰を施して栽培するよう心がけましょう。

動画で見る えんどう豆とそら豆

作業手順

  1. 1
    手順1
    準備するもの、えんどうの種または、そら豆の種、支柱用フレーム付丸型プランター(市販の支柱がセットできます)、培養土
    ※畑の場合は、石灰や有機石灰を準備。
  2. 参考
    参考
    豆類は特に酸性の土壌を嫌います。酸度調節のために、一般的に使われる苦土石灰で、1平方メートルに対し約100g〜150gを、種をまく2週間ほど前に施す。家庭菜園で人気がある有機石灰は、種まきの直前でも大丈夫。約200gを、大人の手の平で軽く掴んだ一回が約50gなので、4回を目安に施す。
  3. 2
    手順2
    今回はプランターを使った栽培。プランター栽培は、土を変えれば連作障害の心配がなく、過湿に弱い豆類に対し、水分調整がしやすいメリットがある。
    ワンタッチで支柱(別売り)をセットできるので、つる性の植物に最適。
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    手順3
    そこ網をセットし、水抜き穴のふたをはずす。
  5. 4
    手順4
    培養土を入れ、表面を平らに整地する。芽が出た後で土寄せを行うので、鉢のふちから多めにウォータスペースを取る。
  6. 5
    手順5
    ひとつのプランターで栽培できるのは一箇所です。育てたい豆の種類を決める。
    ※鞘ごと食べる(絹さやえんどう)、中の実だけ食べる(実えんどう)、中の実も皮も食べる(スナックえんどう)。または、そら豆
  7. 6-えんどう豆のまき方
    手順6-えんどう豆のまき方
    過湿に弱いえんどう類の種蒔きは、一箇所に3〜4粒。三角や四角になるよう等間隔に置き、種が見えなくなる程度に指で軽く押さえ、なでる程度にふく土をする。
    ※畑に蒔く場合、各箇所は約30〜35cm間隔。
  8. 6-そら豆のまき方
    手順6-そら豆のまき方
    そら豆を蒔く時は、種の方向に注意する。一箇所に3粒。根が出る、黒い筋(一般におはぐろと呼びます)の部分を真下にして、深さは、土の表面から種が少し見える程度に埋め、ふく土はしない。
    ※畑に蒔く場合、各箇所は約40cm間隔。
  9. 7
    手順7
    最後に水を、プランターの底から出るまでたっぷりと与える。

※管理の仕方は、数日に一回、土の表面が乾いてきたら与える程度。過湿に弱いので与え過ぎに注意する。

春に食べる豆類2間引き〜支柱立て)

芽が出て、本葉が5枚ほどの時期に、一番生育状態の良い茎1本だけを残し間引きます。
また、ある程度の高さに育ったころ、倒伏防止のための支柱を立てます。

動画で見る 春に食べる豆類(間引き〜支柱立て)

間引きの手順

  1. 8
    手順8
    間引きは、発芽してから本葉が5枚程度出る頃までに行う。
    3株あるうち、一番生育状態の良い1株だけ残す。2株を引き抜く。
  2. 9
    手順9
    間引き後、土寄せを行います。風などで倒れないよう株の周りに培養土を加え、根元を押さえる。

支柱立ての手順

  1. 10
    手順10
    準備するもの。プランターに付属のリング一つと、支柱支え(留め具)4つ、市販されている支柱8mmを4本と、11mm1本、ミラーテープ一巻き。
  2. 11
    手順11
    最初に、支柱支え(留め具)をプランター4カ所に対角線上にセットする。
  3. 12
    手順12
    次に、8mmの支柱4本をプランターに垂直に立てる。プランターの底まで差し込む必要はありません。
    土に軽く(約4〜5cm)差し込み、支柱支え(留め具)にカチッと音がするようはめ込む。
  4. 13
    手順13
    リングを支柱に取り付ける。支柱の最上部から約5〜6cm下部に、カチッと音がするようはめ込む。
  5. 14
    手順14
    取り付けたリング中心の穴に11mmの支柱を通し、土に軽く差し込む。
  6. 15
    手順15
    倒伏防止のため、また、アブラムシ飛来を軽減させるため、ミラーテープを支柱に巻き付ける。
    つるを持たない豆類を、支柱と横方向に巻くテープで保護する。
  7. 16
    手順16
    豆類の成長に合わせ、巻きつけるテープを増やす。最終的に三カ所ほど。
  8. 17
    手順17
    葉が黒くなっている箇所がありましたが、今期の冬(2009年〜2010年)は寒さが強かったための障害で、心配はいりません。

※管理の仕方は、数日に一回、土の表面が乾いてきたら与える程度。過湿に弱いので与え過ぎに注意する。日中の日差しがながる当たる場所に置く。

春に食べる豆類3(枝の整理・追肥・土寄せほか)

背丈が3〜40cmほどの高さになったら、枝の整理と追肥、土寄せを行います。
さらに約一ヶ月後、花が咲き背丈が50〜60cmになった頃に、先端を切り落とす「ピンチ」をします。
またさらに約一ヶ月後、サヤが大きくなり実の重みで垂れ下がり、サヤにツヤが出ると収穫の目安です。

動画で見る 春に食べる豆類:そら豆(枝の整理・追肥・土寄せほか〜ピンチ作業〜収穫まで)

※枝の整理・追肥・土寄せほか
※生長点を止めるピンチ作業

  1. 18
    手順18
    生育の良い枝を3本残し、そのほかの枝やわき芽を根元から切り取る。
  2. 19
    手順19
    配合肥料を20〜30g、株の周りに施す。
  3. 20
    手順20
    背丈が高くなっても株が倒れないように、株の周りに土を入れ軽く押さえる。
  4. 21
    手順21
    生育に合わせ、支柱の周りに2段目のテープを巻く。この後も、生育に合わせテープを巻く。
  5. 22
    手順22
    花が咲き背丈が50〜60cmになった頃に、先端を切り落とす「ピンチ」をする。
    ピンチを行うことで、花や実の方へと栄養が行き届く。

※収穫

  1. 23
    手順23
    ピンチ作業を終え、花が落ち、サヤが大きくなっていきます。
    最初は、そら豆の由来どおり、空をめがけて大きくなっていきます。(写真左側)
    その後、実の重みでサヤが垂れ下がり、サヤの表面にツヤが出ると収穫の目安です。(写真右側)
  2. 24
    手順24
    収穫する際は、サヤの根元からハサミで切り取ります。
  3. 25
    手順25
    ビールのおつまみに、サヤから実を取り出し塩ゆでするといいですね。

次々と出てくる側枝も、花や実に養分が届くようにピンチ作業をしましょう。
今回、誘引にミラーテープを使用したことで、キラキラした光を嫌う、アブラ虫の被害にほとんどあいませんでした。