「小さな体に大きな栄養」の夏野菜
とれたてキッチン
2009年8月:シシトウの中華風あえ物
シシトウ | 10個(50g) |
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ミョウガ | 1個(20g) |
A | |
酢 | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ1/2 |
いりごま(白) | 小さじ1 |
しょうゆ | 小さじ2 |
ごま油 | 小さじ2 |
作り方 (調理時間 約15分)
シシトウはへたの先を切り落とし、斜め半分に切ります。ミョウガは千切りにし、水にさらしたら水気を切ります。Aを合わせます。
耐熱皿にシシトウを並べてラップをし、電子レンジで1分30秒(500W)加熱します。熱いうちにAであえます。
2の粗熱が取れたら、ミョウガを加えてあえます。10分くらい置いて味をなじませます。
提供:ベターホームの料理教室
撮影:松島均
食の話 神山真理(食のエッセイスト)
シシトウ 「小さな体に大きな栄養」の夏野菜
「これって辛いの?」。いため物の中に入ったシシトウを見て、息子が恐る恐る聞いてきました。確かに形は赤トウガラシに似ていますが、辛くはありません。
シシトウはトウガラシの一種ですが、赤トウガラシのような辛味種ではなく、ピーマンと同じ甘味種なのです。ちなみに「シシ」とつくのは獅子面に似ているからだそうです。
栄養素はピーマンに似て、β─カロテンとビタミンCがとても豊富。β─カロテンは疲労回復に効果があるので、夏バテ解消にはもってこいです。また、動脈硬化の予防にもなるといわれています。このβ─カロテンは油と一緒に調理するとよく吸収されます。
一方、ビタミンCはメラニン色素の沈着を防ぎます。日焼けが気になる時期は十分摂取しましょう。ビタミンCは熱に弱いといわれますが、シシトウやピーマンの組織は強いので、熱を加えても葉物ほどはビタミンCが壊れません。
そしてシシトウはピーマンより小さく、中の種も食べられる野菜です。そのままの形で調理できて、栄養を丸ごと取れるのも便利です。β─カロテンとビタミンCを効果的に取るためにも油でいためたり、揚げたりするといいでしょう。
もう一つ、食物繊維が多いのも特徴です。同じ仲間のピーマンと比べてもたっぷりと含まれています。食物繊維は便通を良くし、腸内のコレステロールを吸着して体外に排出させる働きがあります。
このように小さいながらも栄養たっぷりのシシトウ。料理の名脇役として、さまざまな料理に使ってみましょう。
参考文献
『野菜&果物図鑑』(新星出版社)
『野菜の手帖』(講談社)
『クスリの食べ物』(西東社)
『新食品成分表〈2007〉』(一橋出版)
栄養の比較 可食部100g当たり
β─カロテン(μg) | ビタミンC(mg) | 食物繊維(g) | |
シシトウガラシ(果実 生) | 530 | 57 | 3.6 |
シシトウガラシ(油いため) | 540 | 49 | 3.6 |
青ピーマン(生) | 400 | 76 | 2.3 |
青ピーマン(油いため) | 410 | 79 | 2.4 |
出典:『五訂増補食品成分表2009』女子栄養大学出版部