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獣害の修復を機械でスムーズに・持続可能な営農の実現へ

さが杵藤/230701集落営農小型車両系建設機械講習会 小型車両系建設機械の講習を受ける参加者.jpg JAさが杵藤エリアTACの久保喜久男さん(68)は7月上旬の2日間、武雄市若木町の川古集落営農と同市武内町の農事組合法人西梅野ファームを対象に、小型車両系建設機械(3㌧未満)講習会を開いた。
 両地域は同市の北部に広がる中山間地で、水稲を中心に麦や大豆などの栽培が盛んに行われている。しかし、近年イノシシの頭数が増え、作物の食害や耕地の掘り起こしなど被害が大きくなっている。川古集落営農の集落長も務める久保さんは「圃場の修復にも時間がかかり、このままでは耕作放棄地が増えてしまう恐れがある」と頭を悩ませていた。
 そこで、圃場の畦畔や法面の修復を容易に行うことができる小型車両系建設機械に目を付けた。2日間の講習で修了証の取得が可能で、受講要件もなく、県内でも取得希望者が増えてきている。㈱コマツの担当者に講習会の指導を依頼し、講習場所の提供や指導の補助を行った。
 講習会は20~70代まで幅広い年齢の男女15人が参加した。学科では法令などの基礎知識を学び、実技では装置の操作方法を実践。全員が合格し、修了証を取得した。
 当日指導した㈱コマツの笠原武俊さん(48)は「特に慣れてないうちの運転には注意して無事故に努めてほしい」と喚起した。
 久保さんは獣害に悩む中山間地の現状を踏まえて「農業機械に限らず獣害を修復できる機械にも補助制度を確立してほしい」と期待を込めた。講習会は11月にも開く予定だ。
 2組織は被害の事前防止にも力を入れている。全農のクラウド型営農管理システム「Z‐GIS」を活用。航空写真に示したイノシシの出現が多い場所を同市の猟友会と共有し、くくり罠を設置している。捕獲しやすい空白地帯を作るため、チェーンソー講習会も開くなど、さまざまな対策を講じて持続可能な営農を目指している。
写真=小型車両系建設機械の講習を受ける参加者
(2日、武雄市)