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p35_08houritsu_4c.jpg強制執行について その13

 今回は敷金返還請求権が仮差し押さえや差し押さえられた場合の説明をします。
 建物などの借り主が第三者に支払うべき負債や税金などを滞納した場合、債権者や金融機関、税務署、公共団体などが貸主の所に来て借り主が有している敷金返還請求権を押さえさせてほしいと言ってくることがあります。
 この場合、貸主としては敷金返還請求権を押さえられても貸主に不利益となることは原則としてありません。敷金は賃貸借契約における借り主の債務を担保するためのものですが、借り主が貸主に対して敷金の返還請求ができるのは、契約が終了し借り主が目的物を貸主に戻した後とされています。しかも、貸主は目的物の返還を受けるまでの借り主の債務を敷金で充当することができます。つまり、契約が終了し目的物の返還を受けるまでの借り主の債務一切が担保となっており、その債務を敷金から控除したときの残額があれば、その残額の返還を借り主は貸主に請求できるだけということになります。貸主からしてみると、敷金返還請求権が押さえられても、それは将来、残額がある場合のことといえるわけです。従って、敷金返還請求権が押さえられても貸主に原則として不利益はないということになります。
 ただ注意するべきは、仮差し押さえや差し押さえを受けるのですから、裁判所からの文書に正しく対応することが大切です。貸主は裁判所に陳述書という文書を出しますので、その内容を正しく記載しておく必要があります。
 その他は、もし敷金の残額があるときには、借り主に返してはいけないこと、重複の差し押さえなどのときは供託をする義務があることくらいです。


2017.8.15
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