いちごのいろんな育て方

知っているようで知られていない、
いちごが出来るまでの過程をご紹介!

いちごのいろんな育て方

それはいちごの勘違い?

自然界では4月下旬から実をつけるいちご。なのにどうして、11月の上旬から真っ赤な実のいちごが、果物屋さんの軒先にならぶのでしょう。それはいろんな方法で気温や日照時間をコントロールし、いちごに季節の勘違いをさせた結果なのです。さて、いちごの発育にとって、ターニングポイントとなるのが“花芽分化”と呼ばれるプロセスです。夏の日差しと高温の中ですくすくと成長した子株は、9月の短日低温をきっかけに、花をつけたくなる誘惑にかられます。しだいに成長点が葉芽から花芽へと変わっていく、この現象が花芽分化です。その後秋の深まりとともに、花芽の分化や生育は速度をゆるめ、冬の寒さによって、いちごは休眠状態に入ります。そして、冬の眠りから覚めたいちごが花をつけるのが翌4月上旬。これが自然の中でのいちごのサイクルです。このサイクルを人工的に作り出すために、今ではさまざまな育苗法が考案されています。

いちごカレンダー

自然の中でのいちごの生育

自然の中でのいちごの生育

普通ポット育苗

普通ポット育苗

ビニールハウスを利用した栽培法方の中では、もっともオーソドックスな栽培法です。6月上旬、親株から発生した子株をポットに移し、8月上旬には最終追肥。9月中旬に花芽分化した苗は、10月下旬に開花します。収穫期は12月に入ってから。一年中でいちごが一番多く必要とされる、クリスマスシーズンに間に合うようにと考案された育苗法ですが、花芽分化の時期が気候によって左右されやすいため、今では数が少なくなってきました。

株冷(低温暗黒処理)育苗

株冷(低温暗黒処理)育苗

大規模な低温倉庫を利用した育苗法です。コンテナに詰められたポット苗は、温度が低く真っ暗な場所に置くことによって、花芽分化の時期が早くなります。温度14℃±1℃、湿度90%に保たれた低温倉庫の中で、15日間というわずかな日数で、苗は花芽分化をはじめます。これによって収穫は11月からできるようになり、普通ポット育苗にくらべ約1カ月も早くなりました。

夜冷(夜冷短日処理)育苗

夜冷(夜冷短日処理)育苗

夜冷処理施設を利用して、日中は太陽の光に当て、夜は低温処理することによって、花芽分化の時期を早くする育苗法です。太陽光に8時間あて、温度を14℃±1℃に保つことによって、苗は約20日間で花芽分化を迎えます。収穫の時期は11月の上旬からと、株冷育苗とほぼ同時期です。専用の施設が必要となりますが、株冷育苗とくらべると、第1花房の花の数が多いというメリットがあります。

用語解説

ランナー

親株から地上を横に伸びる葡萄茎です。長さは20〜40cmくらいで、先端に子苗が着生します。子苗は土にふれた部分から根を張り子株となります。この子株が新しい苗として利用されるわけです。

花芽分化

成長点が葉芽から花芽へ変わろうとする過渡期をこう呼んでいます。いちごは日が短くなり、気温が下がると花芽分化を迎えます。開花期をコントロールするための、大切な目安となっています。

最終追肥

いちごには、栄養分が少なくなると花芽分化をはじめようとする性質があります。この性質を利用して花芽分化を促進させるために、生育の段階で養分中のチッソをカットします。その直前に肥料を与えることを最終追肥と呼んでいます。