いちごはこうして大きくなる

知っているようで知られていない、
いちごが出来るまでの過程をご紹介!

いちごはこうして大きくなる

花の断面図 〜見たことあるかな、いちごの花〜

花の断面図

さて“いちご”というのは大和言葉で、古くは“いちび”と呼ばれていました。どうやらキイチゴやヘビイチゴの総称であったらしく、枕草子にもその記述があります。今日本で栽培されているいちごのルーツとなるオランダいちごは、バラ科。リンゴやナシ、モモと同じ仲間です。自然の中では4月上旬、小さな白い花を咲かせます。花びらとがく片はそれぞれ5枚、20の雄しべが1つの花託(かたく)を取り巻いています。最近の栽培法方は、毎年株をかえる一年方式が中心ですが、じつはそのままほおっておけば同じ株が何年も果実を実らせる、生命力の強い植物でもあるのです。ところで今の日本では、生産段階でのいちごは果物ではなく野菜として分類されているのを知っていましたか? ほらね、いちごというのは、知れば知るほど不思議の多い植物でしょう。

花托の断面図 〜いちごのつぶつぶの秘密〜

花托の断面図

いちごの外側についているつぶつぶ。じつはコレ「痩果(そうか)」といって、いちごの本当の果実なのです。そのもとになっているのが雌しべ。一枚の心皮でできているいちごの雌しべは、ひとつの花の中にらせん状にならび、その中心が小さな種となります。では、わたしたちが果実だと勘違いして食べている、赤い実の正体は何でしょう。それは、いちごの花の中心にある花托(かたく)です。花托は痩果を育てるためのクッションのような役割をしています。また、痩果の数と花托が成長した果実の大きさとは関係が深く、痩果の数が多いほど果実も大きくなります。

こうしたいちごの果実は、本当の果実に対して、偽果(ぎか)と呼ばれ区別されています。ニセモノの果実が、あんなに赤くて美味しいなんて。いちごの不思議に、ますます興味がわいてきませんか。

いちごの増え方 〜ランナー(人間でいえばヘソの緒)〜

いちごの増え方

いちごは、短い茎にたくさんの葉をつけます。自然界では7〜8月、茎の一種であるランナーが横に伸びはじめます。このランナーが親株から少し離れた場所に根をおろし、子株として成長していくのです。そして再び子株からランナーが伸びはじめ、次の子株へと増え続けます。

普通ランナーの長さは20〜40cm。その主な仕事は、親株から子株への養分補給だといわれています。人間にたとえると、お母さんと赤ちゃんを結ぶヘソの緒ですね。自然界でのランナーの成長は、日が長くなり気温が上がるとともに活発になり、日が短く低温になるととまります。しかしその寿命は長く、子株が果実をつける頃まで養分を送り続けるという例もあるほどです。もしかすると子株は、甘えん坊なのかもしれませんね。一年方式のいちごの栽培では、ランナーの先端に生まれたこの子株を採苗して、新しい親株として育てていくわけです。